北欧コペンハーゲンに行った気分

少し肌寒くなってくると聴きたくなるのが

Fly to Denmark (フライ トゥー デンマーク)Duke jordanのジャズピアノです。

この曲を聴くと北欧の情景が目に浮かびます。

11月のデンマークの今頃はもうすでに肌寒い。でも空気がさらっとしていてとても心地が良いのです。

パリの一つ星レストラン「ル・レカミエ」で修行中に知り合ったデンマーク人のレーナ・カールソンが、

「夏のバカンスが終わったら、週末にでも遊びにおいで」

というので、

フランスの休暇が終わった頃、飛行機でコペンハーゲンまで飛びました。

パリからコペンハーゲンまで飛行機で2時間、代金は13000円くらいと安い。

早速コペンハーゲンのレーナのアパルトマンに着く。

朝晩はぐんと冷え込み、冷たい風に肌寒さを感じる11月の終わり、たった2泊だけ居候するわけであったのだが。。。

ところがです。

夕方コペンハーゲンのジャズカフェに入って、荷物をとなりのベンチに置いてのんびりしようと思い、ギャルソンを呼ぶが、なかなか来ない。

仕方がないのでカウンターまで足を運びムッシューに注文をすませてもどってくると・・・

え~私のリュックサックがない。

まさかデンマークのような治安のいい国には盗難はないと思っていたのが。。。まさかのまさか。でした。

みごと数分のうちに鞄ごと持って行かれてしまったのです。

中にはパスポート、お金、クレジットカード、カメラなどすべての貴重品が入っていました。

その場で騒然として、これからどうしてよいのか、頭の中が真っ白になってしまったのです。

結局宿泊させてもらっていた友人のレーナにお願いして、新しいパスポートの更新の手続きが終わるまで、一週間あまり居候させてもらうことになったのです。

そして母親には日本からデンマークの銀行へと送金するようにお願いしたのでした。

北欧のような治安の良い場所でも盗難はあるのだな、とまさに痛感したものです。

そんなことでコペンハーゲンの日本大使館に行ったり銀行に行ったりで一週間以上いることになりました。

盗難はあったものの、不幸中の幸いで、彼女たちの学生生活を垣間見ることができました。

滞在しているレーナはアパルトマンを4人でシェアーしていて、キッチンやリビングルームなどは共同なので彼女たちと一週間共にすごすことができました。

一緒に生活していてびっくりしたのは、レーナは買い物の時に卵のマイバックを食料品店に持参します。そして定員さんに中に1つづつ卵を入れてもらったり、コーヒーのマイ缶を持参してそれにグラム単位で挽いたコーヒー豆を入れてもらったりしているのです。

瓶は、デポジット制をとっていて、店に戻せば20円くらい戻ってきます。
ひと瓶あたり、平均25回はリユースされていて、それからリサイクルされているそう。
瓶にするとコストがずいぶん安くなるので、必然的にペットボトルより重いにもかかわらず、瓶のほうをよく買うのだそうです。

どこへいっても環境に配慮してエコライフを実生活の中に取り入れていることをまざまざと感じました。

車でないと不便な場所を除いて中心地などの公共交通機関が発達している場所では、積極的に電車、バスや自転車を利用しています。自転車の車道が特別にもうけられていて、通勤、通学には自転車を利用している人がすごく多いのにも驚かされます。

また家庭ゴミのリサイクル率は96%(日本は20%)、ゴミの分別の仕方も徹底的です。
それに、電力の46%は自然エネルギーだし二酸化炭素の排出量は1990年からマイナス9%減らすことに成功していてそれでも国のGDP(経済)は44%成長している。

本当に環境先進国なのです。

環境に対しての心構えが本当にすばらしい。

自然を大事にし、街中の街路樹もアパルトマンの窓を飾るお花もあざやかでとてもきれいです。

そして人々も優しい。

 

デンマークの街並みを散策してみるとパンやさんがとても多い事に気づかされます。

さすがデニッシュ(折りパイで作ったパン)の本場とあって様々な種類のパイ生地のパンが店頭に並べてあります。

その中でも人気なのはシナモンロール。

シナモンとレーズンがたっぷり入っていて、外はカリッと中はもちっとしていてやはり本場の味です。

コペンハーゲンには日本のアンデルセンベーカリーもチボリ公園の近くの一等地にお店を出しています。

ここではデンマーク人向けのパンが多かったのですが。

コペンハーゲンにはカフェもたくさんありましたが、その中でもいろいろな菓子パンやスイーツが置いてある創業1870年というデンマーク最古の老舗のカフェ「la Glace」でのんんびりとしました。

風格のある店内でケーキとコーヒーを注文する。

自分でケーキを取りに行く。

若い大学生とみえるアルバイトらしき金髪の女の子がホールのケーキをナイフで切り、お皿の上にのせてくれる。

ゆったりとした店内にはジャズが流れています。クリームたっぷりの3種のベリーのムースののったケーキが美味しかったこと。

この贅沢な時間と空間、まさにヒュッゲ(心地がいい空間)なのです。

日本に帰ってきて、もう何年も経ちますが、この余韻が今でも残っています。

茅ヶ崎の我が家でも晩秋の昼下がり、シナモンロールと紅茶をよく飲みます。

そして秋になると、フライトゥーデンマークを聴きます。

まさにこの曲はコペンハーゲンを象徴しているかのよう、Denmarkへといざなってくれるような臨場感あふれる音楽です。

爽やかでやさしくて美しく奏でるピアノの音色、まさにコペンハーゲンにいるのよう癒やしの空間を与えてくれるです。

やっぱりデンマークにはシナモンロールとジャズピアノが合う。

今日はコペンにいるような気分になって、ヒュッゲな気分を味わった午後の一時でした。

 

 

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