日本では、文化祭というと高校、大学が一般的ですが、フランスでは、幼稚園、小学校で催されます。
卒業式というのは一般になくて、ケルメスは学年最後の行事にあたります。
Kermesseの本来の意味は、慈善バザー,(北フランス、ベルギー、オランダ)では村祭り、定期市の祭りとなっていますが、フランスの子供たちのプチ文化祭と思えばいいでしょう。
学年末になると、子供のいる家庭は大忙しです。
本来は学年末の6月に行われる行事ですが、日本では3月が学年末なのでに今月に書くことにします。
学校の敷地をすべて開放します。
門のところでまず子供たちが用意してくれたチケットを買って(10枚綴り)いろいろな催し物をそのチケットで利用します。
子供たちや保護者たちのアイデアで様々なイベントが開催されます。
フラフープを何回までつなげられるかというゲーム、輪投げ、お化粧ごっこ(これは父兄の方々が子供たちの顔に可愛らしく口紅をつけたりしてプチエステのようなもの)似顔絵コーナー(子供が、参加してくれた人の顔を色鉛筆で画用紙に描く)
中でも一番人気なのは、縁日みたいな感じで日本ではヨーヨーを釣るが、ここでは、プラスチックでできたアヒルや金魚など釣るゲーム。しかし釣ったものを持ち帰ることはできません。
そしてとても人気があるのは父兄たちによるお手製のケーキです。
長机を置いて花柄プリントの生地を敷いて、お菓子や飲み物が並んでいます。
「マリークリスチーヌのママのハンドメイドのチェリーパイはいかか?」
「ニコラのパパの作ったツナの入ったピサラディエ(フレンチピザ)。美味しいよ~」
など自分の手作りの味を楽しんでもらおうと大声を張り上げています。
そのほかにパウンドケーキやタルト、クレープ、ジャム、クッキーなどがテープルの上にたくさんのっています。
日本のように手の込んだ洗練されたスイーツとかではなくて、形も不揃いで本当に家庭的な物ばかりなので、気軽に持参できます。
隣はちょっとしたスペースとして、倚子がたくさん並びプチカフェが併設されていました。
その横では、フリーマーケットをしています。子供たちの古着や使い古したリュック兼手提げカバン、靴、バレーシューズ、サッカー用ユニフォームなどなど。
お菓子も売れていましたが、どちらかというと子供服などのフリマが人気のようです。
みんなあさるようにして山積みになった洋服の中から子供に会った物を探すのに必死です。フランス人はいい物を買って長く持たせる傾向にあるので、ブランド物でもかなり色あせたTシャツやズボンなども多かったです。
屋内の体育館では子供たちのフラダンスショーや小演劇などもやっています。
そして今まで描いてきた子供たちの絵やオブジェなどの作品が飾ってあります。
私は階下の子供たちのベビーシッターをしていましたが、ケルメスを通して子供たちの普段の学校での姿をかいま見ることができてとても楽しかった日々を想い出します。
父兄が一丸となって企画したり当日の販売、子供たちのヘルプなどしてボランティアとして頑張っていました。
父兄、お祖母ちゃんやお祖父ちゃんたちなども来たりするのでかなりの売り上げになります。
しかしお菓子の材料やフリーマーケットなどかかった費用などはすべて自己負担です。この収益金がすべて子供たちの学校での備品を買ったり活動費用に還元されるわけですので、ボランティア精神でご父兄の方も楽しみながら臨んでいました。
こうして楽しかった子供たちの学校での一年が終わり、長い夏休みに入っていきます。
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