
今日、たわわになった柚の木からたくさんゆずを収穫した。
亡くなったおばあちゃんが50年も前に使用していた年季の入った絞り機で半分にスライスしたゆずを絞った。
今回は70個くらい収穫したので、50個は絞って果汁に、残りの20個は塩ゆずに。
ゆずシロップは搾った果汁に1,5倍の蜂蜜を加え攪拌して溶かすだけなのですぐにできる。
昔フランス南部マントンのビストロに入った時のことだった。
オープンキッチンの上方にワイングラスが並べられその下には、ずらっとレモンの瓶詰めが置かれていた。
魚の網焼きを注文したお皿には、このレモンのシロップをかけている。私はムッシューに思わず聞いてしまった。
「魚の上にレモンシロップをかけるんですか?」
「ノン。これは、塩レモンと言うんだ。レモンスライスと岩塩を交互に重ね合わせ、それを一ヶ月寝かせて発酵させたものだよ」
レモン生産量フランス一のマントンの名物として知られるのは、レモンのお菓子「タルト・シトロン」やレモンジャムだが、このように塩に漬けるものは初めて見たのだった。
「この塩レモンをかけてその上からハーブとオリーブをかけRouget(ヒメジ)、Pageot(真鯛の仲間)Sardin(いわし)等の魚ををグリルするんだよ」と店主が。(一部リサイクル日記)
今では塩レモンは流行っているが、30年も前のことなので、当時は日本ではあまり知られていなかった。
塩レモンは、南フランスから南下した北アフリカのモロッコが発祥と言われている。モロッコでは伝統的な万能調味料として広く使われており、タジン鍋の煮込み料理、サラダやパスタ、肉や魚料理、肉などのにおい消しや香りづけ、 鶏肉のマリネなど用途はいろいろある。レモンを塩漬けにして熟成させたもので、レモンピクルスとも呼ばれる。レモンの酸味と塩の旨味が混ざり合い、乳酸発酵することで、まろやかな酸味と塩気、旨みが特徴だ。
今回はレモンでなくて、ゆずをたくさん収穫したので、ゆずと岩塩を交互に入れて塩ゆずをたくさん作った。塩レモンのようにゆずをくし形に切りの重量に対して10%の塩を交互に重ねる。10日くらい寝かせて発酵してきたら、マリネ液として使う。
今日は、ポルトガルでは国民食ともいえる定番の魚料理である鰯の塩焼きを作った。
塩レモン(ゆず)をたっぷりかけて、ハーブ、オリーブをかける。
1時間くらいマリネした魚や野菜をグリルに入れて焼く。
塩ゆず(レモン)とハーブとオリーブがマリアージュした香ばしい、これぞ南欧の風味たっぷりの味だ。
ゆずはまるごと使ってゆず湯にしてもいいし、ゆず塩にして焼き魚に絞ってもいいし、蜂蜜入りゆずシロップで炭酸を入れゆずネードにしたり、いろいろなものに愛用できるので重宝している。
そこそこのよいワインを買ってきたが、自分の味でないときがよくある。そういう時はこのゆずシロップを加えるとちょっとサングリア風になってこれまたなかなかお洒落なカクテルができあがる。
庭で収穫したゆずだからこそできる贅沢な使い方。
いつもゆずでほっこり癒されます。
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