パリのレンヌ通り近くのフェランディという調理師学校に通っていた時,クラスにイギリス人のドロティという女の子がいた。
私がオードブルを選考したときに、彼女と一緒に作業していくグループになった。ドロティはとても上品でいかにもイギリスの上流階級のお嬢様という感じがした。
何回か一緒に作業をするようになったある日ドロティーがパリのアパルトマンでの午後のティーパーティに招待してくれた。
今日はその時に教えてもらった紅茶とマロンクリームのトライフルを作ってみた。
トライフルとはドロティの故郷イギリスのお菓子だが、とても簡単にできて、断面や表面をきれいにスパテラでなめらかに飾ったりする作業などいらないので、初心者でもできる。しかもそれが美味しい。
下手なお菓子屋さんでケーキを買うよりも自分の入れたい物をアレンジしてできるからお気に入りのデザートの一つである。
ドロティにこのトライフルを教えてもらってから私はこのお菓子の虜になった。
彼女のアパルトマンを訪ねたとき玄関を入るとすぐリビングがある。そのテーブルの上に、ガラスボールのような物にクリームとのっていて、最初見たときは前菜でマヨネーズのたっぷり入ったサラダかと思った。
「私の故郷イギリスではトライフルを大きなガラスの器に入れてみんなでとりわけるのよ」
フランス人のパーティの食卓では見られなかったのでとても新鮮に思えた。
「カスタードクリーム、スポンジケーキ、フルーツ、フルーツジュースなどの材料を層状に重ね泡立てたクリームで飾るのよ。よくママはフランボワーズやブルーベリーなどで作っていたわ」
今日はガラスの器がないので小分けにしてスポンジとクリームを交互に重ねてみた。
フルーツジュースはケーキを湿らせるのに必要だが、フルーツジュースの代わりにポルト酒、シェリー酒などの洋酒を加える場合も多いとのこと。
家ではアールグレーの紅茶を濃厚になるまで煎じてブラウンシュガーを入れてシロップ状になるまで煮詰め、マロンペーストはアルデッシュ産のマロンクリームを買ってきて(なかったのでボンヌママンのマロンクリームで代用)泡立てた生クリームと一緒に合わせる。スポンジケーキ、紅茶のシロップ、マロンクリームの順に重ねていき最後にチョコレートと木の実で飾ってみる。
すごく簡単だがこれがまた美味しいのです。
今日の午後の一時。
アールグレーの紅茶と共に嗜むドライフルは最高だ。またイギリスのお菓子巡りもしたいなあ。
(右がドロティ、彼女の恋人ステファン、左がアメリカ人ヘヌマン)
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