長い間パリジェンヌに親しまれているモロッコ式サウナ「Hammam (ハマム)」というのがある。
ハマムとは、中東に広く見られる浴室全体が蒸し風呂となっている伝統的な大衆浴場のことだ。
フランスでは、浴槽につかって体を温めるという習慣がないし、シャワーだけで済ましてしまう人が多い。
住んでいて物足りないなと感じるのは、毎日お風呂にゆったりとは入れないことだ。
そんなことをぶつぶつとマリエールに話したら、
「まこ。じゃあ。ハマムに行ってみない?」と誘われたのであった。
1926年に創設されたパリのモスクGrande Mosquée de Paris(グランド・モスク)の中にハマムというのがある。
モスクの中の礼拝堂にはステンドグラスがあって、その敷地内に、庭園、ティーサロン、レストラン、そしてハマムがある。
モロッコ式ハマムは蒸し風呂のような感じで汗を流し体の芯から温まるお風呂屋さんみたいなところだ。
中にいる伯母さんに頼むと有料で垢すりやマッサージしてもらうことができる。
とても異国的な空間で、サウナよりも低温の蒸し風呂といった感じだ。
「石の上に寝そべってゆっくりとくつろいでいればいいのよ」とマリエール。
ストレスを感じたときは、よくこのハマムにきて、のんびりとすごしていた。
今は夏で、あまり蒸し風呂というのに入る気分がしないかもしれないが、夏でもあまり熱くないぬるめの蒸し風呂は毛穴の老廃物を取り除き、新陳代謝を促進し。。。。自然治癒力をアップさせるには最高の場所だった。
このハマムに入った後は至福の一時だ。
サロンドテでゆっくりとアラブのスイーツ ロクムやバクラヴァそして、ギャルソンが高いところからお茶を注いでくれるミントティを飲むのが習慣だった。
(自家製バクロヴァと紅茶のミントティ)
バクロヴァにはピスタチオとクルミがびっしりと入っていて、ちょっと甘いがバターと蜂蜜の香ばしさがたまらなく美味しい。
ミントティーと共に嗜むととても爽快な気分になる。
このアラブの温泉ハマムとサロンドテで濃厚な味のするバクロヴァを食べる。
パリを観光するならば是非ともこのハマムを訪れると面白い。異国的空間にどっぷりつかるのもいいと思う。
店内のレストランではクスクスやタジンなどモロッコ料理も堪能できます。
そんなことで、このハマムを想い出しながら、今日はアラブの伝統菓子バクロヴァを作ってみた。パータフィロというパイ生地がないので、市販のパイ生地を使って、正方形にのばし、その中に刻んだピスタチオ、クルミ、デーツなどを加え、バターをたっぷりかけて焼いたもの。焼いてからもシロップをたっぷりかける。
これをミントティと一緒に食べると最高の組み合わせである。
きっと、いつか日本でもこのバクロヴァが流行りだす日が近い将来くることを楽しみに。
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