
「まこ、お庭のサクランボを摘んできてちょうだい」
私が下宿していたフランス東部ブザンソンのゴベッティ家では、今頃になると、サクランボが赤く色づき始める。
ほどよく熟し始めると、かごの中にさくらんぼを採るのが私の仕事であった。
(エレーヌがプルーンを採っているところ)
グリオットといって、小粒で少し甘酸っぱい品種だ。はしごに登って、サクランボを傷つけないように、根元から引っ張って採る。
一本の大きな木に鈴なりになるので、まずは、かごに一杯くらい摘み取る。
マダムゴベッティは広いお庭にたくさんの果実を育てていた。サクランボをはじめ黄桃、ミラベル、アンズ、ラフランス、クランベリーなど。
(ゴベッティ家のお庭)
季節に応じて彼女はお庭から果物をとってくる。そしてそれを使ってスイーツにしてしまうのだ。
生の果物は水分が多いので、タルト生地やカトルカール(パウンドケーキ)がベちょっとしてしまうが、家庭ではそんなことはかまわない。
いかに家庭で採れたものを素材に、簡単に美味しくお菓子を作れるかと言うことが大事。
ゴベッティ家のお庭が忘れられなくても日本に帰ってきてもう一度再現してみたい~
自分のお庭で採れた果物を使ってスイーツを作りた~い。といつもあこがれていた。
今では小さなスペースでも果実が実る鉢植え果樹や暖地サクランボといって、今まで東北などの寒い地域でしか栽培できなかったものも、温暖な地域でも育つ品種があることを知って、さっそく小さなお庭で作れる果樹園?を作った。
そして暖地サクランボや暖地林檎などの樹を植えた。
10年後の今になって、やっときちんと実がつくようになった。
本当に小さなスペースだが、サクランボ、ネクタリン(桜桃)オレンジ、林檎、葡萄、レモンなどを育てている。
ネクタリンのうすピンク色のお花などが終わったかと思うと、丸い実をつけ始める。
どんなふうに今年は果実がなるのかな。。。ワクワクの瞬間だ。
(ネクタリンのお花が終わると小さな実をつけ始める)
といっても、うまく育てるには、経験と花が育つ環境と自然の条件など。。。いろいろな要素が重なり合って、植物も心地よくそだっていくみたいだ。
それには、育てる方の忍耐と努力とそして情熱も必要だ。
なにより大事なのは愛情だと思う。
10年間少し頑張ったので、今ではさくらんぼ、りんご、レモン、ゆず、オレンジなど、少しですが、収穫できるようになった。
自然の恵みに本当に感謝の日々です。
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