マダムゴベッティのミラベルのタルト

「今日は旬のミラベルのタルトよ」

マダムゴベッティは一番先にブザンソン(フランス東部)に下宿したときの宿のおばさんでした。

ウイークディは、ブザンソン大学に通っていましたが、土曜日や日曜日は講義がなく休みなので、よく午後の紅茶に誘ってくれました。

ゴベッティさんの部屋に入ると、すぐにリビングルームがあります。そこにはグランドピアノがあって、大きな丸いテーブルが置かれてありました。

彼女はサティやドビュッシーが好きなようで、よくポロンポロンと弾いていました。

「暇なときはここで弾いてもいいわよ」

とても親切なマダムで、まるで娘のような感じで私のことをかわいがってくれました。

フランスでは今頃の季節は、クリ、洋梨、ブドウなどが一般的ですが、中でもミラベル(mirabelle)という西洋すもものような果物も短期間ですが出回ります。

ゴベッティ家のお庭にはたくさんの果樹がありましたが、中でもミラベルは大好きな果物の一つでした。

彼女は、お庭で取れた果物を煮て、コンポートにした物をタルト生地の上にのせていました。

アンズのように酸味は強くない甘くて美味しい秋の味覚の果物です。

大きさはチェリープラムのような感じで中は黄金色でとてもみずみずしい果実です。ヨーロッパでは最高のプラムとして市場に出回るのをみんな待ち望んでいます。

栄養価も高く、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富でなのでヘルシーでもあります。私の住んでいたブザンソンでもミラベルの産地とあってたくさん市場に出回っていました。
また生で食べるのが一番なのですが、ちょっと水分が多いのでタルトにはコンポートにしたものをのせていました。

ミラベルはフランスではタルト、クラフティといったスイーツによく利用されていますが、ジャムやコンポートとしても人気です。
また熟すのが非常に早く、収穫したらすぐ食べないとならないのです。ジューシーなので軽く煮て、水分を飛ばしてからタルトにのせていました。

マダムのホームメイドのミラベルのタルトはとっても美味しかった。

滞在中よくティータイムに呼んでくれたので色々な手作りのお菓子をいただきました。

これから、少しずつマダムから教えてもらった家庭菓子・料理を紹介していきたいと思っています。

 

 

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